米国特許実務ノート



【審判手続】

(1)審判請求書(notice of appeal)
 特許出願のクレームが2度以上拒絶もしくは最終拒絶されたときは、審判請求(appeal)をすることができます(35 U.S.C. 134, 37 CFR 1.191(a))。最終拒絶通知を受けた場合、その応答期間内に審判請求書(notice of appeal)を提出することができます(37 CFR 1.191(a))。審判請求をする場合には審判請求料($500.00(37 CFR 41.20(b)(1) [2004年12月8日施行] ))を支払わなければなりません(37 CFR 1.191(a))。
 なお、審判請求の際に要求されていた署名及びクレームの特定は不要となっています(37 CFR 1.191(b))。

(2)審判理由補充書(appeal brief)
 審判請求人は、審判請求から2ヶ月以内もしくは拒絶通知の応答期間内の何れか遅い方までに理由補充書(appeal brief)を3通提出しなければなりません(37 CFR 1.192(a))。この期間は最大5ヶ月(通算7ヶ月まで)延長できます(MPEP § 1206, 37 CFR 1.136(a), (b))。理由補充書を提出する場合には提出料($500.00(37 CFR 41.20(b)(2) [2004年12月8日施行] ))を支払わなければなりません(37 CFR 1.192(a))。
 審判理由補充書には主張および証拠を含める必要があり、ここに含まれない主張および証拠は審判において考慮されません(37 CFR 1.192(a))。具体的には、(a)実際の利害関係人、(b)関連する審判およびインターフェアレンス、(c)クレームの状態、(d)補正の状態、(e)発明の概要、(f)争点、(g)クレームのグループ化、(h)主張(argument)、を記載し、添付資料としてクレームの写しを添付します(37 CFR 1.192(c))。「主張」において、「争点」毎に見出しを付け、論拠や法令等を引用しながら自己の見解を主張します。

(3)審査官の答弁(examiner's answer)
 審判請求がされた場合、審査官は拒絶査定の正当性を主張することができます(37 CFR 1.193(a)(1))。これを審査官の答弁(examiner's answer)といいます。この審査官の答弁には、審判請求時の補正によるもの以外は新たな拒絶を含めることができません(37 CFR 1.193(a)(2))。但し、審査官は審査を再開(reopen)することができ、その場合には新たな拒絶をすることができます(MPEP § 1208.02

(4)弁駁書(reply brief)
 審判請求人は、審査官の答弁から2ヶ月以内に弁駁書を提出することができます(37 CFR 1.193(b)(1))。この弁駁書が提出された場合、審査官は、弁駁書を受理して審判に回付するか、または、審査を再開して新たな拒絶を通知することができます(37 CFR 1.193(b)(1))。
 審査が再開されると、審判請求人は、拒絶通知に応答をするか、または、審判の再開を要求しなければなりません(37 CFR 1.193(b)(2))。何れの対応もしない場合には出願が放棄されたものとされます。

(5)口頭審尋(oral hearing)
 審判請求人は、審査官の答弁から2ヶ月以内に口頭審尋を要求できます(37 CFR 1.194(b))。口頭審尋を要求するためには所定の料金($1,000(37 CFR 41.20(b)(3) [2004年12月8日施行] ))を支払わなければなりません(37 CFR 1.194(b))。陳述できる時間は通常、審判請求人20分間、審査官15分間に制限されています(37 CFR 1.194(c))。

(6)審決(decision on appeal)
 審判官合議体は、審決として、審査官の判断を支持(affirm)もしくは破棄(reverse)します(37 CFR 1.196(a))。一部支持、一部破棄の審決をすることもできます。また、審査への差戻し(remanded)をすることもできます(37 CFR 1.196(e))。
 審決には新たな拒絶を含めることもできます(37 CFR 1.196(b))。この場合、審判請求人は、審決から2ヶ月以内に、補正書を提出するか、審判官に再考を求めるかの何れかをしなければなりません。何れの対応もしない場合にはその拒絶されたクレームに関する手続は終了します(37 CFR 1.196(b))。

(7)不服申立て
 審判請求人は、審決に対して、ワシントンD.C.の地方裁判所または連邦巡回控訴裁判所(Court of Appeals for the Federal Circuit; CAFC)に訴訟を提起することができます(MPEP § 1216)。



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