米国特許実務ノート



【最初の拒絶通知】

(1)最初の拒絶通知(first Office Action, non-final Office Action)
 審査官が特許できないと考えたときには拒絶通知(Office Action)を通知します(37 CFR 1.104(a)(2))。この拒絶通知には、実体面に関するクレームのリジェクション(rejection of claims(37 CFR 1.104(c)))の他に、形式面に関するオブジェクション(objection)が含まれる場合があります。リジェクションを受ける場合としては、例えば新規性や自明性の規定(35 U.S.C. 102, 103)に違背する場合などが該当します。また、オブジェクションを受ける場合としては、例えば図面が規則(37 CFR 1.85)に従っていない場合などが該当します。

 なお、通常の出願(継続出願以外の出願)については、1回目の実体的拒絶通知は「最初の拒絶通知」になります。この「最初」か否かは、補正できる範囲などに影響します((3)参照)。

(2)出願人の応答(Reply by Applicant)
 拒絶通知を受けた出願人は応答しなければなりません(37 CFR 1.111(a))。所定期間内に応答しないとその出願は放棄されたものとなります(37 CFR 1.135)。

 拒絶通知への応答は「amendment(補正)」と「remarks(意見)」とを記載することができます。但し、拒絶通知中の全ての事項について応答しなければなりません(MPEP § 714.02)。

 出願人から応答があった場合、審査官はさらに審査しなければなりません(37 CFR 1.112)。

(3)補正MPEP § 714
 明細書および図面を補正する際、新規事項(new matter)を追加する補正は認められません(35 U.S.C. 132, 37 CFR 1.121(f))。具体的には新規事項違反の態様には以下のように2種類あります。

 まず、クレーム以外への新規事項追加は、第132条の規定(35 U.S.C. 132)に違反するものとしてオブジェクションを受け、当該補正のキャンセルを要求されます。これに不服な出願人は、請願書(petition)を提出することができます。

 一方、クレームへの新規事項追加は第112条第1段落の規定(35 U.S.C. 112, 1st)に違反するものとしてリジェクションを受けます。この場合は、拒絶査定に対して審判請求(appeal)をすることができます。

 但し、新規事項を追加しない補正であれば、新たな争点(new issue)を提起するような補正をすることは可能です。この点、最終拒絶通知の際の補正とは大きく異なります。

(4)応答期間
 拒絶通知に対する応答期間として設定される期間(shortened statutory period)は3ヶ月です(MPEP § 710.02(b))。但し、方式的拒絶理由しか含まれていない場合は、2ヶ月となります。これら応答期間は、当初の設定期間を含めて合計6ヶ月まで延長することができます(37 CFR 1.134)。また、最終日が土曜日、日曜日、または、ワシントンD.C.の祝日に当たる場合は、次の実働日まで応答することが可能です(37 CFR 1.7)。この応答期間内に応答しないとその出願は放棄されたものとなります(37 CFR 1.135)。

 なお、応答期間の延長をするためには以下の延長料を支払わなければなりません(37 CFR 1.17(a) [2004年12月8日施行])。
  • 1ヶ月延長した場合 : $ 120.00
  • 2ヶ月延長した場合 : $ 450.00 (合計額)
  • 3ヶ月延長した場合 : $1020.00 (合計額)
(5)インタビューMPEP § 713
 拒絶通知を受けた際、審査官とのインタビューの機会を設けることができます。日本からの出願の場合、通常、現地の代理人が対応することになります。但し、最初の拒絶通知前は通常の場合、継続出願を除いて、認められません(MPEP § 713.02)。

 インタビューは、審査官の部屋において、就業時間中に行われます(37 CFR 1.133(a))。また、インタビューは応答の代わりにはなりませんので、インタビューをした場合でも書面による応答は別途しなければなりません(37 CFR 1.133(b))。



索引のページへ

事務所案内のページへ