米国特許実務ノート



【先の米国出願の利益を受ける出願】

 先の米国出願の利益を受けるための要件は以下のとおり35 U.S.C. 120に規定されています。

(a) 特許を受けようとする発明が先の出願に第112条第1段落(35 U.S.C. 112, 1st)の要件を満たして記載されていること。

 第112条第1段落には、「明細書には、発明及びその製造・使用の方法を、当業者にとって製造・使用できるように、十分に明瞭簡潔かつ適切な用語で記載しなければならず、発明者が最良と考える実施態様を記載しなければならない」旨規定されています。この規定が要求しているのは、クレームをサポートする記載があり(Written Description requirement)、クレームされた発明が当業者にとって製造又は使用できるものであり(Enablement requirement)、かつ、最良の態様を開示していること(Best Mode)です。したがって、先の出願でこれらの要件を満たしていない発明については、後の出願で要件を満たすように記載を追加しても先の出願の利益を得ることはできません。

(b) 先の出願の発明者によって後の出願がされていること。

 この要件は発明者の完全一致を求めているのではなく、先の出願の発明者と少なくとも1人が共通していればこの要件を満たします(MPEP § 201.03)。

(c) 先の出願が特許になるか、放棄されるか、手続が終了するまでに、後の出願が出願されること。

 先の出願について特許が発行された日と同じ日に、後の出願(37 CFR 1.53(b))をしてもこの要件を満たします(MPEP § 201.11)。

(d) 先の出願を参照していること。

 明細書(37 CFR 1.77(b)(2))または出願データシート(37 CFR 1.76(b)(5))の中で先の出願を参照しなければなりません。

 これらの要件を満たした場合、その発明について、先の出願の日に出願したのと同様の効果を有します(35 U.S.C. 120)。



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