米国特許実務ノート



【仮出願】

 仮出願とは後に通常の出願をすることを前提として仮にする出願であり(37 CFR 1.53(c))、1995年6月8日から国内優先権制度として導入されたものです(MPEP § 201.04(b))。

 直接権利化を目的とする出願ではありませんので、クレームは不要です(35 U.S.C. 111(b)(2))。その代わり、権利化を図るためには仮出願から12ヶ月以内に通常の出願(Nonprovisional Application)をするか通常の出願への変更要求をしなければなりません(37 CFR 1.53(c)(3))。期間内に変更要求がない場合、仮出願は放棄したものとみなされます(35 U.S.C. 111(b)(5))。この12ヶ月の終期が土日またはワシントンD.C.の祝日に当たる場合には次の実働日まで延長されます(35 U.S.C. 119(e)(3))。

 仮出願の出願料は$200で(37 CFR 1.16(k) [2004年12月8日施行])かなり安価に設定されています。そのためか、米国ではよく利用されているようです。私が実際に現地で見た案件では、学会発表用の論文そのものが(参考文献の項まで全て)貼り付けられていて、「出願」というイメージのものではありませんでしたが、このような気軽な使い方が結構されているとのことでした。但し、仮出願としての効果を得るためには、明細書としての記載要件(35 U.S.C. 112, 1st)を満たしている必要があることは言うまでもありません。

 仮出願をした後にそれを基にして通常の出願をした場合の特許権存続期間は、その通常の出願の出願日が起算点となります(35 U.S.C. 154(a)(2))。一方、仮出願をした後に通常の出願へ変更要求をした場合の特許権存続期間は、仮出願の出願日が起算点となります(37 CFR 1.53(c)(3))。

 なお、従前は仮出願の後に通常の出願をする際に仮出願が特許商標庁に係属している必要がありましたが、1999年法改正によりそのような要件は必要とされなくなりました(35 U.S.C. 119(e)(2))。



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